ある人に勧められて、姜尚中の「母~オモニ~」を読んでいます。
私の祖母が熊本出身で、熊本弁だったということもあり、オモニの
熊本弁は妙に懐かしい匂いがします。
韓国では母のことを「オモニ」、父のことを「アボジ」と言います。
オモニは、16歳の時に、韓国から東京の巣鴨に嫁ぎます。
プサンまで汽車で3時間。それから関釜連絡船(今の関釜フェリー)に乗り、
下関に着いてから1週間かかって東京の巣鴨の嫁ぎ先に到着するのです。
気が遠くなるような時間です。
私は今東京に住んでいて、実家は下関ですが、5時間半で実家に着いてしまいます。
今や地球の裏側まで12時間余りで着く時代だというのに、オモニはどんなに心細か
ったことでしょう。
そして私は、まず読み始めの1ページで、心を掴まれました。
「母という言葉は、息子たちの心を尋常ならざるものにしてしまうのだ。」
「そして、母が単なる母にとどまらず、[オモニ]であるとすれば、
息子たちは狂おしいほどの母への想いに心を焦がすに違いない。」
一瞬にして、「全編読みたい。」という気持ちになりました。
夢中になって読んでいて、そういえば、「今日は母の日」だったんだと気がつきました。
オモニが亡くなってから尚中に届いた母の声のテープで、この物語は締めくくられています。
「このオモニの肉声を、朗読で読みたい。」と、心から思いました。
姜尚中(カン・サンジュン)特集も、なかなかいいですね!
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