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2017年10月1日日曜日

円覚寺 帰源院で夏目漱石『門』を読む!

夏目漱石『門』の舞台となった鎌倉 円覚寺の帰源院で、朗読のリハーサルがありました。悩みを抱えた主人公・宗助は紹介状を持ってこの門をくぐります。この場面は、夏目漱石の参禅体験を元に書かれており、お世話になった若僧・宜道は[雲水の釈宗活]、禅の指導をした老僧は[円覚寺の元管長・釈宗演]がモデルなのだそうです。


円覚寺 総門


山門



銀杏


小説『門』より抜粋
[一窓庵は山門を這入るや否やすぐ右手の方の高い石段の上にあった。]

この石段を上っていくと帰源院(一窓庵)です。鎌倉石は柔らかいので摩耗しやすく、石段の角が取れています。「洞穴」も多いようで、いろいろと案内していただきました。宗助が、思い悩んで[崖の下に掘った横穴の中へ入ってじっと動かずにいた。]という場面も想像できました。



切り株も風情があります。


帰源院(『門』では、一窓庵)


彼岸花が可憐に咲いています。


夏目漱石の句碑
仏性は白き桔梗にこそあらめ

小説『こころ』でも感じましたが、
漱石は「白」に憧れを持っていたような気がします。



[丘外れなので、日当の好い、からりとした玄関先を控えて、後の山の懐に暖まっているような位置に冬を凌ぐ気色に見えた。]


「夏目漱石の手紙」も掲げられているこのお部屋で、『門』を朗読。時おり、体を通り抜ける風が、とても爽やかで、御住職も目をつぶって聴いて下さいました。今にも、[宗助]が玄関から入ってきそうです。途中、声は出しているのですが、ふっと朗読から意識が離れ、不思議な感覚を覚えました。


『門』は、心に残る深い言葉が次々に出てきます。
ぜひ、声に出して読んでみることをおススメします♪


妙香池
[二人はまた寺を空にして連立って出た。山門の通りをほぼ一丁ほど奥へ来ると、左側に蓮池があった。寒い時分だから池の中はただ薄濁りに淀んでいるだけで、少しも清浄な趣はなかったが、向側に見える高い石の崖外れまで、縁に欄干のある座敷が突き出しているところが、文人画にでもありそうな風致を添えた。]
蓮池は「レンチ」とルビがふってある本が多いのですが、今回は「ハスイケ」と読みます!


[自分は門を開けて貰いに来た。けれども門番は扉の向側にいて、敲いてもついに顔さえ出してくれなかった。ただ、「敲いても駄目だ。独りで開けて入れ」と云う声が聞えただけであった。・・・・彼自身は長く門外に佇立むべき運命をもって生れて来たものらしかった。それは是非もなかった。けれども、どうせ通れない門なら、わざわざそこまで辿りつくのが矛盾であった。彼は後を顧みた。そうして到底また元の路へ引き返す勇気をもたなかった。彼は前を眺めた。前には堅固な扉がいつまでも展望を遮ぎっていた。彼は門を通る人ではなかった。また門を通らないで済む人でもなかった。要するに、彼は門の下に立ち竦んで、日の暮れるのを待つべき不幸な人であった。]

頭の中が『門』でいっぱい。
美しい文章に魅せられています☆


帰りに、鎌倉「花仙」で、「あんみつ」を食べ、お土産も買って帰りました~🎶


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